住宅併設の訪問看護で働くやりがい — 「その人らしさ」を、毎日隣で支える仕事
こんにちは、落合実です。福岡でホスピス住宅ビーズの家の運営をしながら、看護師さんのキャリア相談にも乗っています。
最近、「ビーズの家のような住宅併設の訪問看護に興味があるんですが、実際どうですか?」という相談をよく受けます。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、ホスピス住宅などに併設された訪問看護のことですね。移動がない代わりに件数は多く、慌ただしい現場ではあります。けれど、外から見えにくい「やりがい」がきちんとある仕事だと、私は思っています。今日は、その手応えを具体的に書いてみます。
「その人らしい暮らし」を、長い時間軸で支えられる
住宅併設の訪問看護で働くことにおいて何より大きいのは、利用者さん一人ひとりの暮らしを、長く、近くで見続けられることです。
ご自宅への訪問と違って、同じ建物に複数の利用者さんが生活しているので、担当でない日も「あ、今日はよく歩いてるな」「最近よく笑うな」という変化が自然と目に入ってきます。「先月より食欲が戻ってきた」「ご家族が来た翌日は機嫌がいい」というところまで、継ぎ目なく追える環境は、外部訪問の現場ではなかなか得られません。
「病院でも長い時間見れるのでは?」と思う方もいるでしょう。住宅での看護の良さは「生活や暮らし」をみれることです。
僕がこの仕事を続けてきた理由は、突き詰めると一つです。その人にとっての「自分らしさ(ウェルビーイング)」を、ご本人と一緒に見つけていくこと。世の中的に良いと言われる治療や環境が、その人の幸せに直結するとは限らない。誤嚥のリスクがあっても食べたいものを食べたい、転びそうでも自分の足で歩きたい。そういう願いに、「安全第一の管理」ではなく「意思決定の支援」として伴走できる場面が、住宅での訪問看護にはたくさんあります。
多職種を「動かす」ディレクターになれる
施設内訪問看護師は、介護士、訪問診療医、ケアマネジャー、住宅スタッフ、ご家族と、毎日たくさんの専門職や立場の違う人と関わります。
ここで大事なのは、自分一人で抱え込まないことです。「このケアは訪問看護で行くべきか、ヘルパーにお願いするのが筋か」「このお願いは家族から伝えてもらった方が届くか」を、その都度判断しながら周りを巻き込んでいく。看護師がプレイヤーとしてだけでなく、現場のディレクターとして動ける仕事だと思っています。
訪問看護でも同様のスキルは必要ですが、住宅では同時に顔を合わせる機会が多いことがより醍醐味だと思っています。
私が現場でよく伝えるのは、「正しさで叩かない」ということです。看護師は専門職として「看護はこうあるべき」という頭のいい人が多いので、つい「これが正しいケアです」と押し切りたくなる。でも相手にも仕組みやルールだけでなく、背景や感情もあって、その中で動いている。相手が動きやすい伝え方を選べるようになると、現場が一気にラクに、そして面白くなります。多職種を巻き込んで、みんなが同じ一つの暮らしを描けたとき、それを設計できたときの達成感は、ひとりで頑張って完結する看護とはまったく違う種類の感動があります。
看護の専門性と「経営感覚」が同時に育つ
住宅併設の訪問看護のもう一つの面白さは、看護の専門性と、ビジネスの感覚が同時に磨かれることです。
訪問看護はもともと、1件の訪問がいくらの収益になるのかを数字でも見ていく仕事でもあります。さらに住宅併設の訪問看護では、その1件1件の看護だけではなく、施設全体の入居率や収益、利用者やスタッフの満足度、新規依頼の流れまでが近くで見える。現場ケアを担いながら、事業の数字や仕組みづくりに自然と触れられる環境は、他の現場ではなかなか手に入りません。
看護と経営は別物でしょうか。私は看護師として臨床でのケアを同じくらい、経営的な感覚も看護師には大事にしてほしいと思っています。それは、利用者さんだけでなく、看護師も、社会も「持続可能」であってほしいからです。
また、長期的にキャリアを設計したい看護師にとって、ここは大きな強みになります。「いつかは管理側に関わりたい」「現場と経営の橋渡しをしたい」と考えている方には、住宅併設の訪問看護は絶好の出発点だと思います。仮に病院や別の現場に戻ったとしても、退院後の生活を見据えたケアを設計できる看護師として重宝されますし、地域包括ケア全体を見渡せる視野が、自分のなかに残ります。
仲間がすぐ隣にいる、という安心
最後に、現場の声として一番よく聞くこと。「在宅だけど一人じゃない」という安心感は、住宅併設の訪問看護のとても大きな魅力です。
訪問看護に興味はあるけれど、一人でお宅に伺うのはハードルが高い。そう感じている方は多いと思います。迷ったときにすぐ相談できる仲間が同じ建物の中にいる。新卒の方や在宅の経験が浅い看護師さんでも、サポートを受けながら、在宅看護の力をつけていけます。
僕が大事にしている言葉に、「意識は低く、専門性は高く」というのがあります。看護師としての専門性は磨きながらも、あまり気負いすぎず、利用者やご家族が幸せそうか、その表情を確認しながら、その日常を一緒に支える。そういう構えで看護したい方には、住宅併設の訪問看護はとても合った働き方です。
私は、ホスピス住宅ビーズの家でケアマネジメント室を立ち上げて、現場に向かう皆さんが安心して働けるように学習支援やケアの質の評価などに取り組んでいます。
「ここでも自分らしくいられるな」と、利用者さんに感じてもらえる場をつくる仕事。少しでも気になった方は、ぜひ気軽に話を聞きに来てください。
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